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本決定は、刑訴法290条の2に基づく被害者特定事項の秘匿措置について、それが憲法32条および37条に違反しないとしたものである。

被害者特定事項の秘匿措置は、平成19年に成立した「犯罪被害者等の権利利益の保護を図るための刑事訴訟法等の一部を改正する法律」によって導入されたものであり、性犯罪に係る事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項(氏名および住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項をいう)が公開の法廷で明らかにされることにより被害者等の名誉または社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認められる事件について、裁判所が、それを公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができるとするものである(刑訴290条の2第1項)。また、裁判所は、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者もしくはその親族の身体もしくは財産に害を加えまたはこれらの者を畏怖させもしくは困惑させる行為がなされるおそれがあると認められる事件を取り扱う場合にも、同様の措置をとることができる(同条3項)。

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