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事実の概要
被告人は昭和60年1月29日午後6時40分ころからショベル・ローダを使用して自宅付近の除雪を始め、同日午後11時ころ自宅に入ったが、翌30日午前零時ころ除雪作業の手伝いをしていた妻Aが自宅にいないことに気付いた。被告人はAを探すうち、除雪作業中にAをショベル・ローダでひいて雪の中に埋没させたかもしれないと考え、雪山を掘ったところ、Aを発見し、同日午前1時ころ掘り出した。Aは大声で呼んでも反応がなく、身体も氷のように冷たい上、心臓の鼓動も呼吸も感じられなかった。被告人はAが死亡したものと思い、これを届け出ても、かえって自分に殺人の嫌疑がかかると考え、いっそのことAを交通事故に見せかけて遺棄しようと決意し、同日午前2時40分ころ、国道脇までAを運んで遺棄した。遺棄時点でのAの生死は不明であった。¶001