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事実の概要
本件は、いわゆるロザール事件の控訴審判決である。¶001
(1)
被告人Xは、フィリピン国籍を有する外国人であるが、夫・長女と別居し、本件被害者であるVとV方で同棲していたところ、平成9年11月10日午前8時40分頃(以下、年月を省略)、Vが自宅内ベッドで死亡しているのが発見されたことが端緒になって、本件殺人事件が発覚し、捜査が開始された。警察官らは、Xを重要参考人として更に詳しく取り調べるため、同日午前9時50分頃、Xを警察署に任意同行した。これ以降、19日に逮捕するまでの間、警察は、連日朝から夜までXを参考人または被疑者として警察署内で取り調べたが、夜間はXを帰宅させず、最初の2日はXの長女が入院していた病院に、同女の退院に伴いこれに次ぐ2日間は警察が手配した警察官宿舎の婦警用の空室に、その後の5日間は市内のビジネスホテルにXをそれぞれ宿泊させた。¶002