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事実の概要

X(被告人)は、昭和48年8月31日早暁、飲酒後に自動車を運転し、午前4時10分ころ、岐阜市内の路上で物損事故を起こした。間もなく臨場したK、L両巡査は、酒に酔っていると窺われるXに対し、運転免許証の提示とアルコール保有量検査のための風船への呼気の吹き込みを求めたが拒否されたので、道路交通法違反の被疑者として岐阜中警察署への同行を求めた。Xら3人は、午前4時30分ころ、同署に到着した。¶001

署内の通信指令室で両巡査から取調べを受けたXは、運転免許証の提示要求にはすぐに応じたが、呼気検査には再三説得されても応じなかった。午前5時30分ころ、Xの父が来署して説得したが、Xが聞き入れなかったため、父は説得をあきらめ、母が来れば警察の要求に従う旨のXの返答を得て、自宅に母親を呼びに戻った。¶002