FONT SIZE
S
M
L

本判決は、地方自治法(以下「法」)96条2項に基づく条例に拠って議会がなした、長の総合計画の提案に対する修正の適法性を判断したものであり、総合計画の策定権限をめぐる長と議会の紛争を司法が判断した貴重な一例として意義を有する。

事案は次のとおりである。Y(名古屋市会)は法96条2項に基づき、総合計画の策定等をYの議決事項として追加するなど定める「市会の議決すべき事件等に関する条例」(以下「本件条例」)を可決した。X(名古屋市長)は法176条1項に基づき再議に付したが、同内容の議決がなされた。その後、Xは総合計画の案をYに提出し、Yは修正して議決した。Xは、同修正議決は議会の権限を超えて違法として法176条4項に基づき再議に付したが、Yは同内容の議決(以下「本件議決」)を行った。Xは、本件議決が議会の権限を超えるとして法176条5項に基づき愛知県知事に対し審査の申立てを行ったが、同知事は法255条の5に基づく自治紛争処理委員の審理を経て棄却裁定を下した。そこでXが法176条7項に基づき本件議決の取消しを求めて出訴した。

この記事は有料会員限定記事です
この記事の続きは有料会員になるとお読みいただけます。
有料会員にご登録いただくと
有斐閣Online
ロージャーナルの記事
が読み放題
記事を
お気に入り登録できる
条文や法律用語を
調べられる
会員について →