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本判決は、適式な公告がない市民税条例改正条例に基づいて行われた課税処分につき、処分時、当該改正条例は効力を生じていないとしつつ、改正前条例がなお効力を有していることになるため、その相違は税率、賦課金額のみであるとして、処分は当然に無効ではない、と判示したものである。

事案は、次のとおりである。昭和23年3月、青森市長Y(被告・控訴人・被上告人)は、X(原告・被控訴人・上告人)に対して、青森市民税賦課方法条例中一部改正条例に基づき、市民税賦課処分を行った。ところが、同改正条例は、市議会議決後、青森市公告式(自治16条〔昭和25年改正前〕に基づく青森市条例)に定められた公告(市役所掲示場への告示)を行っていなかった。そこで、Xは、同改正条例に基づいた課税処分の無効確認を求める訴えを提起した。第1審判決(青森地判昭和23・12・10行月12号115頁)は、請求を認容したのに対し、控訴審判決(仙台高判昭和24・7・8民集〔参〕4巻10号471頁)は、原判決を取り消し、Xの請求を棄却したので、Xが上告した。

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