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事実の概要

徳島県勝浦郡勝占村、多家良村(いずれも当時)および徳島市は、両村を廃止しその全区域を徳島市に編入するために、両村議会および市議会の議決を経て、徳島県知事Y(被告・被控訴人・被上告人)に対し、地方自治法(以下「法」という)7条1項に基づく申請をした。徳島県議会がこれを可とする議決をしたので、Yは上記編入を実施する旨の告示をした。上記両村の住民であるXら(原告・控訴人・上告人)は、Yが上記告示をもってした処分(以下「本件処分」という)はその前提となる議会の議決に違法があり、Xらの属する村の住民権という公法上の権利の侵害、徳島市長より市民税・固定資産税・国民健康保険料の納付を命ぜられることによる財産上の権利の侵害、公私の諸用のために近隣に存した村役場ではなく遠距離にある徳島市役所まで往復することを余儀なくされることによる損害を被ったなどと主張して、本件処分の取消しを求めた。¶001