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Ⅰ はじめに

AIがあらゆるところに使われ始めている中、教育の分野でもAIの利活用が進んでいる。もっとも、いわゆるChatGPTが登場する前から、日本では、学習塾のオンライン教材などに利用されている。例えば、英会話でAIによって発音の正否を判断したり、答えた内容によって会話が進んだりするものがある。また、他の科目でも間違えた問題を繰り返し出したり、一定の間隔を置いて復習問題を出したりして学力の定着を図るものがある。米国では小学校で、MAP1)と呼ばれるコンピュータによる学力テストにAIが活用されている。MAPは主に国語の読解力と算数の学力を測るものだが、正解すればどんどん問題が難しくなる。そのため、各生徒に出される問題内容は回答結果によって異なる。学年相当のレベルに達しているかを測るだけでなく、平均よりもずば抜けてできた生徒にはアドバンスドクラスや飛び級を認める際の判断材料となる。現時点の本当の学力を測ることができるという意味で、こうしたAIを利用した学力テストのあり方は日本においても参考になる。¶001