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I はじめに

近時、生成AIサービスを巡る法的課題が様々な場面で議論されている。生成AIとは、一般に、大量のデータからパターンを学習し、文書、画像、動画などの多種多様なコンテンツを生成する技術をいう。従来のAIとの違いは、オリジナルコンテンツを創造できる点にあると説明されており、生成AIは、構造化された学習データを必要とせず、入力した条件に応じた精度の高いコンテンツを手軽かつ迅速に作成できる能力を有する1)。文書生成AIにはOpenAIのChatGPT、GoogleのBard、画像・動画生成AIにはOpenAIのDALL-E、StabilityAIのStable Diffusion、音声AIにはMicrosoftのVALL-E、コード生成AIにはOpenAIのCodex、AmazonのCode Whispererなどがあり、日本国内でも生成AIサービスの提供を始める企業が増えている。利用傾向について、帝国データバンクが2023年6月に行った調査によると、専ら文章・コード生成AIを中心に、社内業務で生成AIを活用、又は活用を検討している事業者が6割を超える結果となっている2)¶001