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事実の概要
X(原告・被控訴人・被上告人。注文者)はY(被告・控訴人・上告人。請負人)に建物の増改築等を依頼したが、工事の瑕疵等をめぐって争いが生じたため、履行不能等を理由として請負契約を解除し、解体工事費用、賃料相当損害金、支払済み請負代金の合計959万円(以下、1万円未満の端数はすべて切り捨て)の一部である旨を明示して、376万円の支払を求める訴えを提起した(ただし、実際の経緯については文献⑥74頁参照)。Yは履行不能の事実等を争うとともに、増改築工事完成部分の代金194万円の支払請求権を自働債権(以下、「自働債権①」と呼ぶ)とする相殺の抗弁を主張した。¶001