FONT SIZE
S
M
L

事実の概要

X不動産株式会社(原告・控訴人・被上告人)の代表取締役Aほか2名の役員は、X社としてではなく個人として、本件土地を含む約2500坪の土地を他から譲り受け、宅地として分譲する目的のもとに、訴外Bに請け負わせてブルドーザーによる整地工事を行わせた。これに対し、隣地所有者Y(被告・被控訴人・上告人)が本件土地の所有権を主張したが、Aとの話合いが物別れに終わった直後、整地工事が本件土地から程遠からぬ地点まで進捗してきたため、YはXを相手方として、執行官保管・立入禁止等を内容とする仮処分を申し立て、仮処分命令を得て、その執行をした。その後、仮処分に対する異議手続において、工事施行者がXであることの疎明がないとして本件仮処分命令は取り消され、本案訴訟においてもYが敗訴し、確定した。Xは、Aらが個人で行った整地工事について、Xは無関係であるのに、Yは故意または過失により不当な仮処分を執行し、損害を与えたものと主張して、Yに対して謝罪広告および損害賠償を求める本件訴えを提起した。¶001