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事実の概要

訴外A(夫)は昭和43年7月10日に、訴外B(妻)は同51年7月8日に死亡した。両者の法定相続人は、X1、X2(以下「Xら」)、Y1~Y4(以下「Yら」)を含むA・Bの子9名である。A・Bは自筆証書遺言(以下「本件遺言」、また遺言書自体を指すときは「本件遺言書」という)を遺していた。本件遺言書は「父A母B」の署名押印も含めすべてAの作成によるもので、その内容は、Yらに財産を配分する条項と、「ただし右5件の遺産(不動産)の相続は両親共に死去した後に行なうものとしA死去せる時はまずBが全財産を相続する」旨の条項である。本件遺言で財産を取得しなかった者のうち、Xら(原告・被控訴人・被上告人)が、本件遺言書には同一の証書にA・B両名の署名押印があり共同遺言禁止に違反し無効である等を主張して、Yら(被告・控訴人・上告人)に対し本件遺言の無効確認を求めたのが本件訴訟である。¶001