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事実の概要

Aは、自身が会長的立場にあり長男Y1(被告・被控訴人・被上告人)が代表取締役を務めるB会社の債務につき、Y2会社(被告・被控訴人・被上告人)に賃貸中の甲土地をY2会社に売却してその売却代金をもって上記債務の弁済に充てることとした。昭和59年11月、甲土地をY2会社に売却する旨の売買契約を締結することについてAおよびY2会社との間でおおむね合意に達し、昭和60年5月には売買契約書が作成され、代金全額がAに支払われた。なお、Aは、以上の売買契約の趣旨を明らかにしておくために、昭和60年2月か3月頃、「甲土地の売却代金はB会社に寄付するから、Y1は同社の債務の弁済に充てること、また他の兄弟もこれを承諾すること」という趣旨の自筆証書遺言書を作成し、これをY1に預けていた。その後、甲土地についての所有権移転登記手続が完了する前にAが死亡し、相続が開始した。Aの相続人は、長男Y1、二女Y3、三男Y4および四女Y5(被告・被控訴人・被上告人)、二男X1および四男X2(原告・控訴人・上告人、以下Xらという)の6名であった。以上の共同相続人の間で遺産分割についての話合いが行われた際、Y1は、Aから預かった自筆証書遺言書が所在不明になっていたためそれを他の共同相続人に示すことができなかったが、昭和60年10月26日に「Y2会社に対して甲土地に関する所有権移転登記義務を履行するため、甲土地をY1が相続する」という内容の、また昭和61年6月17日に「Aの遺産に属するその他の土地および財産をY1が相続する。Y1は、X1およびX2にそれぞれ3500万円を、Y5に300万円を支払う。Y3およびY4は、一切相続しない」という内容の遺産分割協議が成立した。その後、Xらは、①Y1はA名義の遺言書を偽造した、もしくは、②Y1は遺言書を破棄・隠匿した、③Y1は詐欺によりAに遺言をさせた等を理由として、Y1・Y3~Y5に対してY1の相続権不存在確認および遺産分割協議の無効確認を求め、またY1およびY2会社に対しては本件相続に基づく所有権移転登記の抹消を求めて訴えを提起した。¶001