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事実の概要
X(母―原告・控訴人・被上告人)は、昭和22年にBと婚姻し、同年5月に子Aが生まれたが、昭和24年に夫婦円満を欠くようになり、協議離婚する合意が成立して、XはBから1万円を受領してAを置いて家を出た。その後BはCと事実上の夫婦になり、共にAの養育に当たっていたが、BはXとの離婚が成立しないまま昭和25年1月に死亡した。CはBの弟Y(被告・被控訴人・上告人)と婚姻し、Aを一時期Yの実姉Dに預けていたこともあったが、引き続きAの監護教育を行った。昭和25年2月にXはYを相手取り、家庭裁判所にBの遺産ならびにAの引渡しを求める調停を申し立てたが、成立する見込みがなく同年7月にこれを取り下げた。XはAが10歳になった頃、Aの引渡しを請求した。¶001