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事実の概要

マッチ製造業者Y(被告・控訴人・上告人)と問屋X(原告・被控訴人・被上告人)は、大正3年7月28日までに5回にわたって、引渡期日を8月末日とする207箱(1箱75グロス)のマッチの売買契約をした。ところが、この最終の契約締結の日に第一次世界大戦が勃発し、そのため、その後マッチの原料が高騰し、マッチの価格も約15%から27%騰貴した。¶001

Xは、大戦勃発による事態の変化のためか、8月5日、Yに対して「当方ヨリ通知スル迄一時出荷中止ヲ願フ」旨申し出たこともあるが、ともかく9月に入ってYは71箱を納入し、その際、XはYの求めにより1箱あたり1円50銭の値上げを認めている(この値上げ率は不明)。¶002