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事実の概要

原審の確定した事実の概要は、標記判時の解説によると、次のとおり。「(1)Xは、4階建分譲マンションを建築することを計画し、着工と同時に買受人の募集を始めたところ、昭和54年11月Yから買受け希望があって交渉した結果、Yはなお検討するので結論を待って貰いたいと述べ、1月後にXに10万円を支払った。その間YはXにスペースについて注文を出したり、レイアウト図を交付するなどした。(2)その後Yから歯科医院を営むため電気を大量に使用することになるが、マンションの電気容量はどうなっているかとの問合わせがあったので、Xは、電気容量が不足であると考え、Yの意向を確かめないまま受水槽を変電室に変更するよう指示したうえ、翌55年2月Yに対し電気容量変更契約をしてきたことを告げ、これに伴う出費分を上乗せすることを述べたが、Yは特に異議を述べなかった。(3)Yはその後、Xに対し、購入資金借入の申込の必要書類として見積書の作成を依頼したが、結局購入資金の毎月の支払額が多額であることなどを理由に買取りを断った」。そこで、X(原告・被控訴人・被上告人)は契約解除(主位的請求)または契約締結上の過失(予備的請求)に基づき、上記の変更に要した費用等の賠償をY(被告・控訴人・上告人)に求めた。¶001