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事実の概要

(1)

山林を所有するAは、昭和4年10月、Y(被告・被控訴人・被上告人)との間で、所有山林に関する売買契約を締結した。その際契約書には一筆の山林のみが記載されたが、付図によって目的山林の位置・形状が明示され、本件係争地である三筆の山林(以下、「本件山林」という)も売買の対象に含まれ、あわせてYが買い受ける旨が明らかにされていた。Yはそれらの所有権を取得し、引渡しを受けて占有管理を開始したが、本件山林については所有権移転登記が経由されなかった。¶001