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事実の概要

Aは、Bの所有する乙土地の隣に、甲土地を所有していた。昭和7年5月、Bは、乙の用途を畑から水田へと変更する際に、乙を甲との境界に沿って垂直に掘り下げた。その結果、両土地の境界には高さ約73cmの断崖が生じ、その一部は斜面となった。X(原告・被控訴人・被上告人)は、昭和10年3月30日、Aから甲を単独で相続した。また、Y(被告・控訴人・上告人)は、同年2月12日、Bから乙を購入した。甲の上には、乙との境界から約1.8m離れたところに家屋が建っており、さらに甲の地質が砂地であるため、現在、上記断崖付近において甲の一部(土砂)が乙へと崩落する危険が生じている。そこで、Xは、甲に対する所有権に基づき、当該危険の防止に必要な措置の実施(甲との境界から一定の距離を置いた乙地上に、境界に沿って一定の高さの板張りの柵を設置し、これと甲との間を土で埋めること)をYに求めた。¶001