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Ⅰ エグゼクティブサマリー

本稿の読了により、読者は、弁護士法72条(非弁行為)に関連して新たに公表された、2023年8月付の法務省大臣官房司法法制部「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」(以下「リーガルテックガイドライン」という)の要点を理解できる。¶001

はじめに、伝統的な法律家は、リーガルテックガイドラインについて、弁護士法72条の新しい論点として「静的」な整理を試みるかもしれない。しかし、それでは不十分である。本件の本質は、事の性質上、「過去に制定された法律」と「日進月歩の進化を遂げるテクノロジー」との「衝突」である(近年における、住宅宿泊事業法におけるホームシェアリング、道路交通法における電動キックボード等を想起されたい)。リーガルテックガイドラインの分析には「動的」なルール形成の側面にも留意を要する。以下、詳述する。¶002