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 事実の概要 

離婚訴訟において子の親権者と定められなかったX(原告)が、裁判上の離婚の場合に裁判所が父母の一方を親権者と定めるとする民法819条2項(以下「本件規定」という)は、憲法13条、14条1項、もしくは24条2項などに違反し、本件規定を改廃しない立法不作為に対して国家賠償訴訟を提起した。¶001

 判旨 

請求棄却。¶002

(ⅰ) 憲法13条¶003

①Xが主張するのは「民法上の『親権』であるから」「具体的な法制度を離れて権利利益を抽象的に論ずることも相当でないから、具体的な法制度である『親権制度』との関係で検討する」。民法は、親権者に子の監護および教育をする権利(820条)を付与するなどの各規定を置くことで「親権の中核をなすと考えられる子の監護及び教育をする権利が『子の利益』のために行使されなければならず、また、親権者の義務でもあることを明示している」。親権者は、「親権を行うに当たって考慮すべき『子の利益』が何かを判断するための第一次的な裁量権限及びそれに基づく決定権限を有するが」、これらの権限は、「子のための利他的な権限であり、その行使をするか否かについての自由がない特殊な法的な地位であ」り、「精神的自由権とは本質を異にする」ため、親権が、「憲法13条で保障されていると解することは甚だ困難である」。¶004