事実

本件は、Y株式会社(被告)の株主であるX(原告)が、事前の株主総会招集通知の欠缺などを理由に、Y社が行った新株発行に係る株主総会決議が不存在であるとして、新株発行の無効を求めた事案である。

Y社は、貸ビルの経営等を目的に設立された取締役会設置会社であり、そのすべての株式の譲渡による取得について、取締役会の承認を要する旨定款に定めている、会社法2条5号所定の公開会社でない会社(非公開会社)である。平成28年4月2日時点におけるY社の株主およびその保有する株式数は、訴外Aが8万1548株、訴外Bが7万9546株、訴外Cが8万1546株、Bが代表取締役である訴外株式会社Dが5万7360株である。その後の同年12月27日のCの死亡により、Cが保有するすべてのY社株式をXが相続により承継した。