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事実

日本法人X(原告・控訴人=附帯被控訴人)は、米国法人Y(被告・被控訴人=附帯控訴人)のパソコン用部品の製造・供給を継続的に行っていたところ、Yから新型のプローブピンの開発・製造の依頼を受け、これを開発し量産体制を整えた。しかし、Yからの発注が停止されたため、発注再開のために、Yからの代金減額要求及びリベート要求に応じた。Xは、東京地方裁判所において、Yに対して、①Yの発注停止は不当な単独の取引拒絶行為(独禁2条9項6号、一般指定2項)に、②Yの代金減額要求及びリベート要求は優越的地位の濫用行為(独禁2条9項5号)にそれぞれ該当するなどとして、債務不履行又は不法行為に基づいて、損害賠償を求める訴えを提起した。XY間の基本契約(Master Development and Supply Agreement。以下、「MDSA」という)にはa~eからなる紛争解決条項(以下、「本件条項」という)が置かれていた。cはカリフォルニア州(C州)の裁判所への専属的管轄合意であり、eでは「紛争について別の書面による契約が適用されない限り、紛争が本契約に起因もしくは関連して生じているかどうかにかかわらず、本条〔本件条項〕の条件が適用される」とされていた。¶001