Ⅰ. 最高裁判所令和4年1月28日判決

離婚に伴う慰謝料の支払債務の履行遅滞がいつ発生するのかについて、最高裁判所は、令和4年1月28日の判決(裁判所Web〔令和2年(受)第1765号〕、本稿では以下、「本判決」と呼ぶ)で、離婚時から遅滞に陥る旨を明示する判断を下した。事実の概要は、以下のとおりである。

X(本訴原告=反訴被告・被控訴人・上告人)とY(本訴被告=反訴原告・控訴人・被上告人)は、平成16年11月に婚姻の届出をした夫婦であり、婚姻後同居し、二子をもうけたが、平成29年3月に別居するに至ったXは、本訴として、Yに対して、離婚を請求するなどし、Yが、反訴として、Xに対して、離婚を請求するなどするとともに、不法行為に基づいて、離婚に伴う慰謝料およびこれに対する判決確定の日の翌日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた。