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事実の概要

AはB(日本国有鉄道)の職員であり、C(国鉄共済組合名古屋支部)の斡旋を受けて、Y信託銀行(被告・被控訴人)N支店から、昭和52年10月3日に弁済期を同57年4月30日として金450万円の融資を受けた(以下、「本件融資」という)。本件融資は、一定期間後に退職が予定された国鉄職員を対象とする融資制度に基づくものであり、これについてC・Y間で次の内容を含む基本契約が締結されていた。①融資を受け得る者は5年以内にBを退職予定の、Cが斡旋したものとする、②融資額は融資時に退職すれば支給されるであろう手取退職手当金額の範囲内(最高限度500万円)とする、③融資期間は退職手当金の受領日までとする、④借受金の弁済は原則として退職手当金を充てるものとする、⑤融資の担保制度として、借受人がBを退職した場合にはYのN支店に対して退職手当金支払いについての口座振込手続をなすものとする。そして、融資を受ける者はC・Y間の基本契約の内容を了知し、それを前提にYとの間で銀行取引契約および金銭消費貸借契約を締結する。組合員は融資を受ける際に、Bを名宛人とする「支給される退職手当金は私名義の普通預金口座(住宅資金口)に振り込みできるよう依頼します。」と記載された退職手当金銀行振込依頼書と、Yを名宛人とする「Bを退職するに当り、私へ支給される退職金その他の受領については貴店を振込銀行として指定致します……」と記載された依頼書を提出する。Aの退職時に、Bは右依頼書に基づいて退職手当金をYのN支店借受人名義の普通預金口座に振り込むことで支払をなし、Yは右預金から借受金残額の弁済を受けることが予定されていた。BはC・Y間の基本契約の内容を熟知し、本件融資が退職金を引き当てとして行われ、退職後にYを振込先としてなされる振込依頼は基本契約に基づくものであることを了承していた。¶001