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事実の概要
本件の本案訴訟は、Xらが、AのメインバンクYに対して、Aの経営破綻の可能性が大きいことを認識し、Aを支援する意思がないにもかかわらずAを全面的に支援すると説明してXらを欺罔したため、あるいは、Aの経営状態について正確な情報をXらに提供すべき注意義務を負っていたのにこれを怠ったため、Aに対する売掛金が回収不能となったとして、不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。Aは、これより前に民事再生手続開始決定を受けた。Xらが、立証のために、Aの再生手続開始決定前の各時点において、YがAの経営状況の把握、Aに対する貸出金の管理およびAの債務者区分の決定等を行う目的で作成し、保管していた自己査定資料一式(以下、「本件文書」という)について文書提出命令を申し立てた。これが最高裁まで争われ、最決平成19・11・30(民集61巻8号3186頁)(以下、「第一次許可抗告審」という)は、本件文書は民訴法220条4号ニ所定の文書に当たらないが、同号ハ所定の文書に該当するかについてさらに審理を尽くす必要があるとして、本件を原審に差し戻した。¶001