事実の概要
Aは、昭和52年12月9日、X(原告・被控訴人・被上告人)損害保険会社との間で損害保険代理店委託契約を締結し、Xの損害保険代理店となった。当該契約には、AがXを代理して保険契約の締結・保険料の収受等の業務を行うこと、Aが収受した保険料をXに納付するまで自己の財産と明確に区分して保管しこれを他に流用してはならないこと、Aが収受した保険料から代理店手数料を控除した残額を遅滞なくXに納付しなければならないこと等の定めがあった。Aは、昭和61年6月19日、Xのために保険契約者から収受した保険料のみを入金する目的で、Y(被告・控訴人・上告人)信用組合の甲支店に「X(株)代理店A(株)B」名義の普通預金口座(以下「本件預金口座」という)を開設し、以後その通帳および届出印を保管していた。Aは、(1)Xを代理して保険契約を締結して保険契約者から保険料を収受し、収受した保険料を本件預金口座に入金するまで他の金銭と混同しないよう専用の金庫ないし集金袋で保管する、(2)収受した保険料をすべて本件預金口座に入金し、本件預金口座に保険料以外の金銭を入金したことはない、(3)毎月20日ころ本件預金口座から前月分の保険料相当額の払戻しを受けそこから代理店手数料額を控除した額の金銭をXに送金する、(4)本件預金口座に生じた預金利息はAが取得する、という対応をした。AがXのために収受した保険料に関する取扱いは、保険募集の取締に関する法律(昭和23年法律171号)等に沿うものであった。¶001