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事実の概要

X(原告・控訴人・上告人)の父Aは昭和62年分の所得税など合計11億円超の国税を滞納していたところ、Aの妻(Xの母)Bが平成17年に死亡した。その法定相続人はBの夫であるA、子であるXとXの弟Cの3名であり、Bの相続財産の合計額は約2億円であったが、Xらが成立させた遺産分割協議においてはX(法定相続分は4分の1)がBの相続財産の6割以上である1億2790万円余を取得し、法定相続分が2分の1のAはBの相続財産の約1割である1990万円余を取得するにとどまるとされた。この遺産分割協議において、Aは自分が滞納している国税の徴収を免れるとともに、Aの近くに居住してその面倒を見てくれる長男Xに多くの財産を取得させることを意図していたと認定されている。処分行政庁であるD国税局長は、AがXおよびCとの間で行った本件遺産分割協議が国税徴収法(以下、「徴収法」という)39条にいう第三者に利益を与える処分に当たるとし、Xが法定相続分を超えて取得した相続財産の価額から、債務・葬儀費用、相続税、登録免許税を控除した残額の6748万円余がXの受けた利益の限度額であると認定して、Xに対して徴収法39条にもとづく第二次納税義務の告知処分を行ったところ、Xが適法な不服申立手続を経て提起したのが本件訴訟である。¶001