事実の概要
X1およびX2(原告・控訴人・上告人、以下「Xら」)は、夫婦である。X2の姉の内縁の夫であるAは、昭和28年6月にXらに無断で、自己所有(登記簿上はAが経営するB社名義)の甲土地および乙土地につきX1名義への所有権移転請求権保全の仮登記を、また昭和32年11月には甲土地上の丙建物(登記簿上はB社名義)につきX2名義への所有権移転登記を行った。Aがこのような登記を行ったのは、Xらから事業資金を借り入れていたところ、自社の経営状況が悪化したため、当該借入金の担保とするとともに、会社債権者による差押えを回避しようと考えたからである。その後、Aは、事業経営の悪化に伴い債務返済のため、甲土地・乙土地を売却する必要に迫られ、Xらに無断でその名義を冒用し、偽造した印章、売買契約書、登記申請書および委任状等を用いて甲土地・乙土地につきX1名義の所有権移転の仮登記を本登記とし、丙建物についてX2からX1への所有権移転登記を経由した上で、甲土地を訴外Cに、乙土地を訴外Dにそれぞれ売却した。Y(税務署長―被告・被控訴人・被上告人)は、昭和37年11月20日に上記登記簿の記載等を前提として、X1名義の甲土地・乙土地の訴外CおよびDへの譲渡ならびにX2名義の丙建物のX1への譲渡につき、Xらにそれぞれ譲渡所得が生じたものと認定し課税処分を行い、さらに昭和38年6月26日には、X1所有の丁土地につき差押処分を行った。これに対しXらは、課税処分の無効確認請求および差押処分取消請求の訴えを提起した。¶001