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Ⅰ はじめに

依存と言えば、その対象は古くからアルコールや薬物と考えられてきたが、ギャンブルやゲームといった行動に対する依存(嗜癖)もこれに当たると考えられるようになってきている。ギャンブルへののめり込みなどの問題は、以前から指摘されていたが、例えばメジャーリーグの野球選手の通訳が、選手の銀行口座から不正に送金した犯罪の背景にギャンブルの問題があってマスコミに大々的に取り上げられるなどのように、時折社会の注目を集めることはあったものの、アルコール依存や薬物依存など依存を専門とする医療関係者の間でも注目されることは少なく、一部の医療者によって診療が行われているに過ぎなかった。この状況を一変させたのは特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法)により、カジノがわが国でも合法化されたことによる。カジノの解禁によりギャンブル問題の増加が懸念されることから、2018年にギャンブル等依存症対策基本法(以下、「基本法」)が成立して、その2週間後に特定複合観光施設区域整備法(IR整備法)が成立し、カジノの開設は現実のものとなりつつある。基本法の成立により、政府や地方自治体もギャンブル問題に取り組むことになり、ギャンブル等依存症対策推進基本計画が策定され、2022年3月25日に閣議決定された。¶001