事実の概要
Y(日本法人─被告・被控訴人=控訴人・上告人)は光技術製品を含む電気関連製品の開発、製造、販売を行う総合電器メーカーであり、X(日本人─原告・控訴人=被控訴人・被上告人)は昭和44年から平成8年までの間、中央研究所の主管研究員等としてYに在職し、多数の職務発明を完成させた。このうち、レーザー光を利用して情報を光ディスクに記録再生する装置や方法に関する発明(「本件発明」という)について、XとYは、外国特許に係る分も含めて、その特許を受ける権利をXからYに譲渡する契約(「本件譲渡契約」という)を締結した。Yは本件発明につき、我が国及び複数の外国で特許権を取得した。YはXに対して、社内規定に基づき、本件発明に係る特許を受ける権利の譲渡の対価として、238万円余の支払を行った。Xは、Yを退職後、この支払額では特許法35条3項(平成16年改正前の規定。現行の特許法35条4項に相当。以下同じ)所定の相当の対価として不十分であると主張し、Yに対してその不足額の一部支払(9億7000万円余)を求めて本件訴訟を提起した。Xは、Yが外国で取得した特許の実施料収入をも基礎に含めて相当の対価を算定したため、外国特許を受ける権利にも我が国特許法35条3項及び4項(平成16年改正前の規定。これら条項併せて、現行の特許法35条4項以下に相当。以下同じ)が適用されるか、延いては、外国特許を受ける権利の譲渡に係る対価請求の準拠法如何が問題となった。¶001