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事実の概要

昭和29年制定の奈良県「池の保全に関する条例」(以下、本条例)は、「池の破損、決等に因る災害を未然に防止するため、池の管理に関し必要な事項を定めることを目的」(1条)として、「池の余水の溢流水の流去に障害となる行為」(4条1号)、「池の堤に竹木若しくは農作物を植え、又は建物その他の工作物(池の保全上必要な工作物を除く。)を設置する行為」(4条2号)、「前各号に掲げるものの外、池の破損又は決の原因となる行為」(4条3号)を禁止するとともに、「第4条の規定に違反した者は、3万円以下の罰金に処する」(9条)とする。被告人ら在住の農民達は、県内のため池の堤とうにおいて、父祖の代から引き続いて農作物を耕作してきたが、本条例の施行によって、同堤とう上での耕作を禁止された。しかし、被告人らは、本条例施行後も同堤とう上での耕作を続けたため、本条例4条2号違反等で起訴された。¶001