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事実の概要

東京大学公認の学内団体である「劇団ポポロ」は、同大学の許可を得て、同大学内の教室において演劇発表会(以下「本件集会」という)を開催した。本件集会は、当時から冤罪が疑われており、後に最高裁で逆転無罪判決が出された「松川事件」を題材としたものであった。¶001

本件集会の情報を知った警察官らは、警備情報収集の必要があると考え、入場券を購入して私服で教室に立ち入った(以下「本件立入り」という)。それに気づいた同大学の学生である被告人は、視線を感じて退出しようとした警察官の腕をつかみ、舞台の前に連行したうえ、オーバーの襟に手をかけて警察手帳を呈示させるなどの暴行を加えた。当該行為により、被告人は暴力行為等処罰に関する法律1条1項違反の罪で起訴された。なお、警察官らは、本件集会の1年半以上前から連日のように同大学構内へ立ち入り、張込み・尾行・盗聴等による警備情報収集活動を行っていた、という事実が後に判明した。¶002