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事実の概要

広島市では、祭礼や週末ごとに多数の暴走族集団が広場や公園等を占拠して集会等を繰り返しており、これが市民や観光客らに威圧感や恐怖感を与え、その結果集会場所周辺にある飲食店等の売り上げが落ち込むなど、社会問題化していた。そこで、地元住民等からの要望もあり、暴走族追放条例(平成14年広島市条例39号。以下、「本条例」という)が制定された。¶001

本条例16条1項は「何人も、次に掲げる行為をしてはならない」と定め、その1号として「公共の場所において、当該場所の所有者又は管理者の承諾又は許可を得ないで、公衆に不安又は恐怖を覚えさせるようない集又は集会を行うこと」を掲げる。それを受けて同17条は、この行為が「本市の管理する公共の場所において、特異な服装をし、顔面の全部若しくは一部を覆い隠し、円陣を組み、又は旗を立てる等威勢を示すことにより行われたときは、市長は、当該行為者に対し、当該行為の中止又は当該場所からの退去を命ずることができる」とし、同19条は、この命令に違反した者に対し「6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」と定めている。¶002