FONT SIZE
S 文字の大きさを変更できます
M 文字の大きさを変更できます
L 文字の大きさを変更できます

事実の概要

本件は、性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律(以下、特例法)3条1項に基づく性別の取扱いの変更の申立ての事案である。¶001

申立人は平成30年11月に性同一性障害であるとの診断を受け、平成31年2月に特例法3条1項に基づき、性別の取扱いの変更を申し立てた。しかし、岡山家庭裁判所は、申立人が同条の要件のうち4号(以下、本件規定)を満たさないことを理由に、申立てを却下した。申立人は抗告したが、広島高等裁判所もこの要件を満たさないとして、抗告を棄却した。これに対して、申立人は、特例法3条1項4号・5号が憲法13条・14条に違反すると主張して、最高裁判所に特別抗告を行った。5号については、家庭裁判所は問題点のみを指摘し、高等裁判所は審理を行っていない。なお、特例法3条1項4号の文言は「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること」、5号の文言は「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること」である。¶002