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事実の概要

昭和24年1月23日の衆議院議員総選挙で当選し衆議院議員であったX(苫米地義三―原告・被控訴人・上告人)は、第三次吉田内閣によって昭和27年8月28日に行われた「抜き打ち解散」が、憲法に違反し無効との主張に基づき、同年9月分からXの任期満了迄の歳費合計28万5000円の支払を請求する訴えを提起した。¶001

Xの主張によると、①衆議院の解散は、憲法上は、憲法69条に限定されているにもかかわらず、同解散は憲法7条にのみ基づいて行われ、しかも、②解散は7条の要請する内閣の助言と承認がなかったと主張する。他方、Y(国―被告・控訴人・被上告人)の答弁では、衆議院解散のような政治性の強い問題については、裁判所は裁判権を有しないとする統治行為の議論が展開された。¶002