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事実の概要

ロッキード事件とは、アメリカの航空機メーカー・ロッキード社(以下A社)が、同社のL-1011トライスター機(以下B型機)を、日本の大手航空会社・全日本空輸(以下C社)に対して、売り込みをかける過程で発生した大規模な贈収賄事件であり、権力者として絶頂期にあった内閣総理大臣田中角榮(以下X1)を巻き込んだ。本件はそのうち丸紅(以下D社)に関する事案である(丸紅ルート)。¶001

A社の販売代理店D社の代表取締役X2、専務X3・X4は、A社社長Eと共謀し、X1に協力を依頼することを決意した。昭和47年8月23日、X2は、X1の私邸を訪れて、C社がB型機を選定購入するよう行政指導を行うべく運輸大臣Fを指揮し、あるいはX1自らC社に働きかけるなどの、協力を請託し、その成功報酬として5億円の供与を約束した。X1はこの請託を承諾し、同年10月30日にC社がB型機の購入を決定したのを承けて、昭和48年8月10日から翌49年3月1日までの間に、秘書官Gを使者として、4回にわたりX3から合計5億円を受領した。¶002