FONT SIZE
S 文字の大きさを変更できます
M 文字の大きさを変更できます
L 文字の大きさを変更できます

事実の概要

本件は、1961年10月に文部省の指示で実施された「全国中学校一せい学力調査」(以下、「学テ」と略す)に際し、その実施を阻止する目的で北海道旭川市立永山中学校の校内に侵入し、同校校長に暴行を加えたとして、教職員組合役員ら4名が建造物侵入罪・共同暴行罪・公務執行妨害罪で起訴された刑事事件である。¶001

第1審旭川地裁判決(旭川地判昭和41・5・25判時453号16頁)は、学テの実施には手続・実体の両面で甚だ重大な違法があるとして、公務執行妨害罪の成立を否定した(他の2罪については有罪を認定)。検察側と被告人側の双方が控訴したが、第2審札幌高裁判決(札幌高判昭和43・6・26判時524号24頁)は第1審の判断を是認し、各控訴を棄却した。¶002