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事実の概要

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1961年当時の全国中学校一せい学力調査(以下、当時の呼称である「学テ」とする)は、文部省(当時)が、必要な調査、統計または報告の提出を各都道府県教育委員会(以下、教育委員会を「教委」とする)に要請し、それを受けた都道府県教委が、市町村教委等の学校設置者に対して学テの実施およびその結果の提供を命じる形式によって行われていた。その法令上の根拠は、文部大臣(当時)が、全国的な教育課程の編成に当たって必要な資料等の提出を地方公共団体の長または都道府県教委に対して求めることができることを定めた地方教育行政の組織及び運営に関する法律(以下、「地教行法」とする)54条2項であるとされていた。同年3月、文部省は都道府県教委に対して同年の学テ実施期日を通知するとともにその結果に関する資料および報告を求めた。北海道教委においては道内各市町村教委にその内容を通知し、それを受けたA市教委は各市立中学校長に対し、各校における学テの実施を命じた。¶001