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事実の概要

1953(昭和28)年11月30日、大阪地裁における監禁等被告事件の被告人XとYほか26名の審理中に、XとYは、裁判長の制止をきかず、許可を受けず、多勢を頼りに、腕を組み、放歌合唱をし、勝手な発言をした。裁判長に対し、Xは「おい、裁判長、きいているのか、貴様……返事しろ」「裁判長黙秘権かどうした返事せ、返事をおい」と、Yは「売国奴とはお前の事だ」と罵った。それにより、同裁判官は、XとYが「裁判所の職務の執行を妨害し」「裁判の威信を著しく害した」として、法廷等の秩序維持に関する法律(以下「法秩法」)3条2項に基づきXとYを拘束させ、同日、同法4条の「制裁を科する裁判」を開き、補佐の弁護人の陳述後に、同法2条に基づきXとYを監置(留置)5日に処する決定を下した(大阪地決昭和28・11・30刑集12巻14号〔参〕3298頁)。¶001