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事実の概要

Y1(日本放送協会―被告・控訴人・上告人)が放送したテレビ番組「ほっかいどうスペシャル・遥かなるユーラシアの歌声―江差追分のルーツを求めて―」(Y2〔被告・控訴人・上告人〕が責任者として製作に関与)の本件ナレーションの部分が、X(原告・被控訴人・被上告人)が著したノンフィクション書籍『北の波濤に唄う』の冒頭部の本件プロローグを翻案して放送されたものであり、著作権(翻案権と放送権)と著作者人格権(氏名表示権)を侵害するか否かが争点となった事件である。第一審(東京地判平成8・9・30知的裁集28巻3号464頁)、第二審(東京高判平成11・3・30民集55巻4号〔参〕945頁)はともに侵害を肯定していた。江差町が江差追分全国大会のときに1年の絶頂を迎えるという認識が一般的なものとは異なり、くわえて、本件プロローグのような順序で江差町の過去の栄華と現在の様子を描写し、江差追分全国大会の熱気を江差町の過去の栄華が甦ったものと認識するという形式を取っているものは「他に見当たらない」というのである。¶001