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 事実の概要 

Y2株式会社(被告・控訴人・上告人)における退任取締役の退職慰労金の算定基準等を定めた内規(「本件内規」)には、退任取締役の退職慰労金は退任時の報酬月額等により一義的に定まる額を基準とする(「基準額」)旨の定めと取締役会は退任取締役のうち「在任中特に重大な損害を与えたもの」に対し、基準額を減額することができる旨の定め(「本件減額規定」)があった。¶001

Y2社の代表取締役であったX(原告・被控訴人・被上告人)は、平成24年から27年まで、社内規程に違反する宿泊費等の支給を受けたうえ、その発覚後の平成28年7月に、前記宿泊費等支給の実質的永続化の目的で自らの報酬額を増額し(「本件行為1」)、平成24年から28年まで、多額の交際費と出張支度金をY2社に支出させ(「本件行為2」)、さらに平成26年度から28年度まで、文化芸術活動支援事業等の費用をY2社に支出させた(「本件行為3」。本件行為1および2と併せて「本件各行為」)。¶002