事実の概要
生命保険相互会社X1~X3(原告。以下、Xらという)は、Y1(被告)の妻であった訴外Aと、保険契約者をA、被保険者をAまたはY1の子訴外B、保険金受取人をBとする4件の生命保険契約(X1:しあわせの保険〔死亡保険金2500万円、災害保険金2700万円〕、X2:養老保険〔死亡保険金2000万円、災害保険金2000万円〕、X3:特種定期付養老保険〔死亡保険金1000万円、災害保険金2000万円〕および学資保障保険〔死亡保険金200万円〕。以下、一括して本件保険契約という)を締結していたところ、Aが昭和54年11月15日訴外C運転の自動車に同乗中、同自動車が福岡県鞍手郡所在の甲ダムに転落して死亡したため(以下、本件事故という)、Bに各保険金および遅延損害金(X1:昭和55年3月24日に5258万8432円、X2:同月25日に未収保険料を控除し4044万2364円、X3:同月26日に3241万4592円)を支払った。ところが、本件保険契約の締結および本件事故の発生をめぐって、以下の事実が認められている。すなわち、Y1はAを生命保険に加入させたうえ殺害して保険金を詐取しようと企て、この計画を打ち明けられたY2(被告)がAにXらの外務員を紹介するとともに、Cに報酬を与えることを約してA殺害を依頼した。Cは、Y1の命令により自動車にAを同乗させ、甲ダムに沿う道路を進行中故意にハンドルを左に切ってダム内に同自動車を転落・水没させAを殺害したが、Cも脱出することができず死亡した。¶001