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事実の概要

児童の父である夫から暴力を受けていたAは、児童の親権者となり離婚し、いったん実家に戻った後に転居して母子で暮らしていた。A自身が、子どもの頃に親から暴力を受けたり、否定的な言動を受けたりして育った経験をもっていた。¶001

Aは、児童が4歳9か月以降、幼い児童の年齢相応の甘え行動に対し、被害的に捉え、懲罰的な態度をとるようになった。児童に対して「死ね」などの暴言を浴びせかけ、顔面を叩き、蹴るという暴行を加え、さらには、在宅時に児童の監護を怠り、約2か月のうちに立て続けに児童の頭部に3か所も縫合等を必要とするような怪我を負わせるといった不適切な養育をしていた。そのため、児童は、3回目の怪我の約1週間後に一時保護されたが、その後、Aのもとに児童が戻され、それから1か月ほどして、二人は母子生活支援施設に入所した。¶002