アメリカの代表的判例

少年裁判所は、1899年にイリノイ州クック・カウンティーで生まれ、各州に広がっていった。しかし、刑事手続における権利保障を持たない少年裁判所手続に対しては、当初から、州憲法が保障する適正手続（due process）に反するのではないかという批判がつきまとっていた。パレンス・パトリエ（parens patriae 国親）法理に依拠してこの憲法上の批判を退けたのが、1905年のペンシルベニア州最高裁フィッシャー判決である。憲法上の地位が安定した少年裁判所制度は、20世紀前半には、全米に定着した。