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事実の概要

(1)

X(NTT東日本―被審人・原告・上告人)は、東日本地区において、加入者光ファイバ設備(収容局から加入者宅に設置される回線終端装置までを結ぶための光ファイバ設備、以下「本件設備」)を設置するとともに、これを用いて戸建て住宅向け通信サービス(以下「FTTHサービス」)も同時に利用者に提供していた。電気通信事業法上、本件設備は他の電気通信事業者への開放が義務付けられる第一種指定電気通信設備であり、当時、既存の本件設備に接続してFTTHサービスを提供しようとする他の電気通信事業者には、Xの当該設備以外に選択肢が事実上なかった。本件設備のような第一種指定電気通信設備は、接続料・接続条件について接続約款を定め、「公正妥当なもの」(現行電通事33条4項2号)等の要件の下で総務大臣の認可を受けなければならない(同条2項)。他方、利用者に対するFTTHサービスの料金(以下「ユーザー料金」)は届出制で、電気通信事業者は原則として自由に設定できる。¶001