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事実の概要

本件の原告(被控訴人)は、地方公共団体の一部事務組合である多摩ニュータウン環境組合(以下「本件組合」)を構成する地方公共団体の住民である。本件組合が発注したストーカ炉(ごみ焼却施設)の建設工事の指名競争入札に参加したストーカ炉メーカー5社(以下「本件5社」)は、談合して5社のうちの1社(被告・控訴人。以下「控訴会社」)を受注予定者とし受注調整を行い、その結果、同社は公正な競争に基づく正常な落札価格と比較して不当な価格で落札した。このため、原告は、本件組合が損害を被ったとして、平成12年、控訴会社に対し、地方自治法242条の2第1項4号(平成14年法律4号による改正前)に基づき、本件組合に代位して、本件組合への損害(落札価格の15%相当)の賠償を求めた。本件は、控訴会社および本件組合管理者(被告・控訴人。以下「控訴人」)が、民法709条に基づく損害賠償請求権の行使を留保したことの適法性について争われた住民訴訟である。本件5社が自治体発注のストーカ炉入札87件(本件入札を含む)について談合を行ったとする公取委審判審決平成18・6・27(審決集53巻238頁)がある。¶001