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本件の被告人らは、住居侵入、放火、傷害等の罪で起訴されたが、そのうち26名については昭和28年6月18日の、また、4名については昭和29年3月4日の各公判期日を最後として、審理が事実上中断され、その後昭和44年に公判審理が再開されるまでの間、全く審理が行われずに15年余が経過した。第1審の名古屋地裁は、「本件は……憲法によって保障された被告人の迅速な裁判を受ける権利を著しく侵害するに至ったもの」であるとして、被告人らに対し、「公訴時効が完成した場合に準じ、刑事訴訟法第337条第4号により」免訴の判決を言い渡した。これに対し、控訴審の名古屋高裁は、被告人らの迅速な裁判を受ける権利が侵害されたことは認めながらも、現行刑訴法には裁判の遅延から被告人を救済する規定がなく、刑訴法337条4号を準用することも法解釈の限度を逸脱するとして、第1審判決を破棄した。

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