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事実の概要

本決定は、検察官が証拠調べ請求した4種の書面の証拠能力について判断したものである。本稿では、これらのうち、刑訴法323条の書面に該当するかが争われた3種の書面についての判断について解説する。¶001

以上の3種の書面とは次のようなものである。①銀行支店次長Aが、自身の業務資料とする目的で作成していたものの一部であり、ほぼ毎日終業後に、当日の業務の要点を、本人の主観を抜きにして箇条書きの形式で記載していた日誌(以下「①書面」とする)、②同支店長Bが、私生活に関する事項や主観的な所感・意見等を個人的な心覚えのために記載していた3年当用日記(以下「②書面」とする)、および③護岸用六脚ブロックの特許を持つ会社の設計部所属のCが、民間会社の依頼に基づいて、護岸工事に必要な上記ブロックの重量・個数等を算出した検討書(以下「③書面」とする)である。¶002