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事実の概要

被告人が、AおよびBと共謀の上、Vの自動車を窃取して運転を開始した際に、前方に立ちふさがったVに対し、同車の奪還を防ぎ逮捕を免れるため殺意をもって同車を衝突させるなどした上、路面にVの頭部等を衝突させ、頸髄損傷によりVを死亡させた(その際A・Bは窃盗の犯意を有するにとどまっていた)とされる強盗殺人被告事件において、起訴後に被告人が自ら申し出て検察官の取調べを受け、殺意を否認しつつ、自分がV車を運転していたことを認める供述(自白)を行い、その供述および供述の状況が録音・録画された。原審公判期日では被告人は否認に転じ、上記自白は虚偽であったと述べた。原審検察官は、刑訴法322条1項に基づき「被告人が供述した内容そのものを実質証拠として、かつ、その供述態度をみてもらうことにより、その供述の信用性を判断してもらうため」として、上記録音・録画の記録媒体の取調べを請求した。¶001