FONT SIZE
S
M
L

事実の概要

本件は、覚醒剤営利目的譲渡等の事案である。捜査機関は、覚醒剤の組織的密売態様として、暴力団事務所の電話で注文を受けた者が客に対し受渡場所を指定するとともに、同事務所の別の電話を用いて譲渡担当者に対しその受渡場所に赴くよう指示し、以て覚醒剤譲渡に及んでいるとの情報を得た。そこで、当該電話2台の発着信通話を検証許可状に基づき傍受した結果、本件被告人らが検挙・起訴された。なお、本件検証許可状には、検証すべき場所および物「日本電信電話株式会社旭川支店113サービス担当試験室及び同支店保守管理にかかる同室内の機器」、検証すべき内容「〔上記電話2台〕に発着信される通話内容及び同室内の機器の状況(ただし、覚せい剤取引に関する通話内容に限定する)」、検証の期間「平成6年7月22日から同月23日までの間(ただし、各日とも午後5時00分から午後11時00分までの間に限る)」、検証の方法「地方公務員2名を立ち会わせて……聴取するとともに録音する。その際、対象外と思料される通話内容については……立会人をして直ちに分配器の電源スイッチを切断させる」と記載されていた。弁護側は電話傍受の違憲、違法による証拠排除を主張した。¶001